アップサイクルとは?
廃棄される予定だった物から生まれる企業の取り組みやSDGsに貢献するノベルティグッズをご紹介
最近よく耳にする「アップサイクル」という言葉、リサイクルとは少し意味合いが違うことをご存知でしょうか。
アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物をデザインや形を変え、新しい付加価値を付けて別の新しい商品に生まれ変わらせることを言います。デザインやアイデアによって付加価値が与えられることでものとしての寿命が長くなることも期待できるため、製品のアップグレードと捉えることもできます。
対してリサイクルとは、廃棄されるものの中から使えるものを取り出し、原料や材料として再利用し、新しい製品を作ることです。
商品の特性を活かしたまま違う商品へと生まれ変わらせるアップサイクルと、まったく新しい商品へ生まれ変わらせるリサイクルでは、同じエコな商品であっても作り方が異なります。
またアップサイクルは元の商品よりも「価値を高めた再利用方法」であるという部分が大きなポイントになり、製品を原料に戻す際にエネルギーを必要とするリサイクルよりもさらに持続可能な再利用方法であると考えられています。
今回は、アップサイクルでできたノベルティグッズや企業の取り組みについてご紹介いたします。
目次
1.アップサイクルとSDGsとの関連。アップサイクルが今注目を浴びる理由とは?
ノベルティグッズや企業の取り組みをご紹介する前に、なぜ今、日本だけでなく世界中が「アップサイクル」に注目しているのかを考えたいと思います。
アップサイクルはSDGsと関連性の高い取り組みであるとされています。
SDGsには17の目標がありますがその中でも「12:つくる責任つかう責任」がアップサイクルと関連性が高いです。
持続可能な社会を作っていくためには、私たちの住む環境を整えることも大切ですが同時に限りある資源を大切にすることも求められます。特に日本ではエネルギーや食料自給率が世界の中でも低く、資源の枯渇は特に注目すべき課題です。
アップサイクルは私たちが今後考えていく必要があるゴミやフードロスの削減に関連した取り組みであるために多くの注目を浴びています。
SDGsの認知度が向上すると共に一般消費者の関心の高まりを受けている事も一つの要因として考えられます。
それに伴い、企業のCSR(環境や社会への配慮)活動の一環としてアップサイクル製品の開発・販売をする企業が増えているのです。
2.アップサイクルでできたSDGsに貢献するグッズや企業の取り組み
販売品やノベルティにカカオ豆の外皮を再利用したSDGsに貢献したグッズ
横浜発のチョコレートを使用した洋菓子の製造と販売を行っているチョコレートデザイン株式会社は、アサヒユウアス株式会社との共同開発により「カカオハスクの森のタンブラー」を製造、販売しています。
チョコレートの原料となるカカオ豆の外皮である「カカオハスク」はチョコレートを作る過程で使うことはありません。チョコレートデザイン株式会社では、チョコレートの生産によって年間約12トンものカカオハスクが排出されます。そこで通常であれば廃棄されるカカオハスクをアップサイクルしたグッズをアサヒユウアス株式会社と共同で開発。甘いカカオの香りがするタンブラーが誕生し、オンラインなどで販売されています。
アサヒユウアス株式会社はこのほかにもパンダが食べずに廃棄していた竹を利用した「森のタンブラー」や、蒜山高原に自生する茅を活用した「森のタンブラー茅」を開発するなど、通常であれば廃棄されるはずの木材や繊維を利用した商品開発・製造・販売を行っています。
森のタンブラーは、使い捨てという消費行動自体を変えることを目指し開発されました。また製造時のプラスチック使用量も削減しています。
SDGsの取り組み!街頭フラッグがアップサイクルされてバッグに変身!
株式会社SINCE1612は銀座における新商品の企画・デザイン及び販売を行っている会社です。同社は銀座通り及び晴海通りに毎年掲げられるクリスマスの街頭フラッグをアップサイクルした「FLAG BAG」を販売していました。
街頭フラッグは街を彩る装飾であると同時に宣伝広告媒体として利用されています。街頭フラッグで街が華やかになる一方、その多くが季節や期間を限定して使われます。その為使用済みのフラッグが毎年大量に廃棄され、その数は数百~数千個にも及んでいます。
株式会社SINCE1612はそんな廃棄予定の使用済み街頭フラッグからあずま袋とトートバッグの2種類を作成し、銀座 伊藤屋で数量限定販売をしていました。
環境に配慮したアップサイクルの商品ですが、柄や色味が微妙に異なる中から自分好みの一品を選ぶ楽しさがあります。また全部で廃棄予定の街頭フラッグから作られるため、販売数量も102個限定でさらにプレミア感がアップします。
ファッション業界にもアップサイクルの風。売れ残りに価値を吹き込む「Rename」
ファッション業界でもアップサイクル過熱しています。その一つとして株式会社FINE(https://c-fine.jp/)が行っている「Rename」という取り組みがあります。
同社は、アパレルメーカーから余剰在庫を買い取り、ブランドタグや洗濯表示タグを付け替えて「Rename」という新しいブランドとして生まれ変わらせて販売しています。
今やファッション業界の余剰在庫・廃棄焼却処分は環境問題の中でも深刻な問題になっており、2030年までに世界のファッション廃棄量は1億4,800万トンにまで膨らむと推測されています。日本の家庭やアパレル業者から100万トン以上もの服が年間で廃棄されていると言われており、中には新品のまま処分されているものもあります。また、その内焼却・埋め立て処分されるのは90%以上とされています。
「Rename」は元のブランド名を明らかにせずに新しいブランドとして生まれ変わらせるため、メーカーのブランド棄損を防ぎ、廃棄コストの削減をしつつも、消費者に対してはブランドではなく純粋な商品価値をリーズナブルな価格で提供するという環境にもお財布にも配慮した取り組みです。これにより世界中で問題になってきているファッション業界の廃棄問題に、アップサイクルという方法で取り組もうとしています。
海外のSDGsの事例を紹介!車の部品をアップサイクルして洋服や装飾グッズに!
お隣の国、韓国でも環境に配慮した取り組みが行われています。韓国の大手自動車メーカー「ヒュンダイ」は自動車に使用されている素材をアップサイクルしたファンション製品「Re:Style2020」を作成しました。
元々古くなり乗れなくなった自動車は、ほとんどがリサイクルに回されていました。しかしそのほとんどが鉄や非鉄金属などの素材で、シートに利用されている革や布、エアバッグなどはリサイクルされずに廃棄されるのが現状でした。
そこに目を付けたヒュンダイは、それらを利用してファッションブランドとコラボした商品を作成しました。
エアバッグ生地やシートベルト生地を再利用したトートバッグ、デニムや自動車製造工程で発生する革の切れ端を使ったジャンプスーツ、車のガラスや金を再利用したアクセサリー等が商品ラインナップとして扱われています。
ヒュンダイ プレスリリース:https://www.hyundainews.com/en-us/releases/3161
また、これらの商品は2020年10月半ばからイギリスの高級百貨店セルフリッジズに出店されたポップアップストアとオンラインストアでも販売されました。
本来であれば捨てられるはずの部品を、デザインや形を変えて付加価値を付けた新しい商品に生まれ変わらせるアップサイクルの良い例です。
3.私たちにもできるアップサイクルとは?持続可能な取り組み。
今回ご紹介したアップサイクルは企業がメインとなって行っている取り組みですが、普段の生活の中でも意識をしていくことで取り入れることができます。
例えば、着なくなった洋服を利用してバッグを作ることもアップサイクルの1つです。また、手芸用品店に行くと、端材が販売されています。量り売りで販売するのには長さが足りない布は捨てるのではなく、端材として販売することで消費者にとってもお得に無駄なく買い物ができますし、廃棄する必要もなくゴミを出すこともありません。 また最近では、家庭用コンポストも注目されており、家庭で出た生ゴミはアップサイクルして栄養が豊富な堆肥として利用することができます。 これにより野菜や果物を余すことなく利用でき、本来であれば生ゴミとなってしまう皮やヘタなども有効活用することができます。
4.アップサイクルでSDGsに貢献できるノベルティグッズ
元の製品よりも価値を高めた製品・グッズにすることは、結果的に持続可能な社会を作る事にも繋がっていきます。
徐々に私たちの生活に浸透しだしている「アップサイクル」は、企業からも消費者からもこれから注目を浴びていく分野です。そのため、日常の中でもアップサイクルを意識していくことがこれから生活していく上で大切なことになります。
そして、企業はその取り組みをより多くの人に認知してもらうためにも配布するノベルティや粗品にアップサイクルされたグッズを取り入れてみてはいかがでしょうか。
企業説明会や展示会などの対外的な活動はもちろん、社内への啓蒙活動も大切になってきます。その時に、ただノベルティグッズを配るだけでなく、環境に配慮したグッズを配布することでより効率的に取り組みや社会貢献活動を認知してもらえるようになります。
一人ひとりの意識を変えることが持続的な社会を作る事に繋がります。まずは簡単に採用できるノベルティグッズから始めてみませんか。
竹炭と同じレベルの消臭効果
コーヒーかす捨てずにアップサイクルできるノベルティ
ドリップ後の「コーヒーかす」を捨てずに、付属のシリコンカップに移しシリコンカップをステンレスタンブラーへセットしたら、シューズクロークや冷蔵庫、トイレや車内の消臭に使えます。